あやべです。
糖質制限(MEC食)では、人体の必須栄養素であるたんぱく質を大事にします。糖質を減らすことも大事ですが、たんぱく質をしっかり摂ることも大切です。
糖質制限をはじめる前、ヘルシー指向の食生活を送っていた人の方がたんぱく質の摂取基準を下回っていたかもしれません。私もカロリー制限をしていたつもりはないのですが、野菜をしっかり食べようと思うとたんぱく質が足りていなかったように思います。
ところで、逆にたんぱく質の量を多く摂ってしまうことで、肝臓にダメージを受けるなどのリスクはないのでしょうか。食生活は何かとバランスが大事と言われていますが、炭水化物を減らしてたんぱく質に偏るリスクはないのでしょうか。心配な方もいると思いますし、私もハッキリしたことは言えなかったので調べてみました。
たんぱく質を摂り過ぎの害
たんぱく質を摂り過ぎると、身体の中では何が起きるのでしょうか。
たんぱく質を摂りすぎると余ったアミノ酸を肝臓がアンモニアとして変換し、腎臓から尿として排出。たんぱく質を摂り過ぎると、この変換作業が多くなるから当然肝臓や腎臓に負担が掛かるでしょ、という発想です。
肝臓も腎臓も、年齢とともに痛め付けてしまう内臓の代表格。これらに過剰な負担を掛けるというのは放っておけない話に感じます。
また、肝臓が余ったアミノ酸を変換する際にカルシウムを道連れにするから骨粗鬆症になるリスクが高まるとか、尿中のシュウ酸とカルシウムの結び付きを促して尿路結石を呼ぶという指摘もあります。
激痛と名高い尿管結石などと言われると恐ろしいですね…。
たんぱく質の摂りすぎってどれくらい?
そんなこと言われると、やっぱり摂り過ぎは良くないよねってなりますよね。じゃあ、どれくらいに押さえておけばいいのかと。
そもそも糖質制限をMEC食で実践したら、たんぱく質の摂り過ぎになっちゃうのでしょうか。
答えはNOです。
摂り過ぎにはならないです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」の推奨たんぱく質摂取量をクリアできるだけで、ベース量を守っている分には摂り過ぎにはならない。どれだけ摂ると「摂り過ぎ」になるのか、というのも実は明確な数値はありません。
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
ということで、何の数値よりもどれくらい多いとまずいのか、そこに明確な根拠をもった数値もないのです。
推奨量を基準に考えると、MEC食のたんぱく質量は必要十分。心配することはなさそうです。MEC食の提唱者である渡辺先生は、「倍を食べたとしても150gですから、この程度では健康被害は起きないのです。」
(日本人だからこそ「ご飯」を食べるな より)とおっしゃっており、運動量などを加味してベース量前後を摂取すれば問題ないのではないかと思います。
たんぱく質の過剰摂取リスクの根拠
たんぱく質の摂り過ぎのリスクは上述しましたが、それらの主張もやはり信頼に値する統計など研究結果は出ていないようです。「戦後の食事の高タンパク質化に従い、尿路結石が増加」という主張も、「国民栄養の現状」では、近年はさほど高タンパク質になっている訳ではなく、尿路結石の患者数の増加とも相関が見られない、というのが江部さんの主張です。
他にも内臓負担だって明確な根拠は出ててないようですし、カルシウム不足についてはチーズをしっかり食べてカルシウムを摂れば良いって話です。MEC食をしていれば、推奨摂取量以上のカルシウムが摂れますしね。
まとめ
糖質制限への警笛としてよく取り沙汰される「たんぱく質の過剰摂取リスク」ですが、MEC食のベース量を目安に食事を組み立てていれば、たんぱく質の過剰摂取にはならないことがわかりました。たんぱく質の過剰摂取リスクの根拠も不明瞭で、いたずらに不安がらせるものではないと私は考えています。明確にリスクのある糖質を減らすことの方がよっぽど優先されるべきことだと思っています。
まぁ過剰に食事を摂るのも褒められたものではないのも事実。MEC食の教え通り、30回よく噛んで食べて、身体が指示する「適量」を大事にしたいものですね。
ではでは