MEC食で本当にビタミンが足りるのか、不足しているビタミンはないのか心配になりますよね。
ビタミンと言えば「野菜や果物」と言う先入観があるもの。肉などの動物性食品と少しのビタミンCだけで足りるとは言っても、どの位足りているのか不安になるのも当然です。
そんな疑問を解消するヒントとして、MEC食でどの程度のビタミンが摂れるのか、足りないビタミンは何なのかをここに書いていきます。
何が足りないかがハッキリとすれば、追加で摂るべき食材やサプリメントを効率的に選ぶことができるはずです。
MEC食で摂るべきベース量
MEC食では最低限の食事量として、肉200g/卵3個(180g)/チーズ120gが提唱されています。加えてビタミンCだけは、MEC食とは別に葉野菜から摂らなければなりません。
独学でMEC食を取り入れた方に、葉野菜すら不要と勘違いされている方がいらっしゃるようです。渡辺信幸先生の著書にも明記されていますので、注意しておきたいですね。
低糖質でかつ栄養豊富、そして入手が簡単な野菜として、MEC食実践者にはブロッコリーが人気です。本記事では、少し多めの1日あたり180gのブロッコリーをMEC食ベース量に加えて話を進めます。なお180gという数字は、ビタミンC摂取基準に対して十分な量のブロッコリーとして逆算しました。
MEC食で摂れるビタミンの実態
このベース量で得られるビタミンについて、厚生省が定める30代男性の栄養摂取基準に対して「どれだけ足りているか」を以下のグラフにしてみました。100%になっていれば摂取量が基準に達していることを表します。
MEC食に黄色のブロッコリーが補完して、かなりのビタミンが十分に摂れていることがわかります。
一方基準に達していないビタミンは以下の3つです。
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンB6
この3つが足りないからと言って、MEC食がダメだという訳ではありません。多くの方の従来の食事の方が、よっぽど摂取基準を満たせていない可能性が高いです。管理栄養士を付けるくらいしないと、バランスの良い食事を日常から摂ることは難しいのは実感されているのではないでししょうか。
MEC食という軸ができれば、ここからチーズが少ない日は卵で補うなどの対策が考えやすくなります。より簡単に高いレベルの栄養を確保できるのがMEC食の一番のメリットだと私は考えています。
これらのビタミンが足りないと何が問題になるか
ビタミンは体のさまざまな代謝を支える裏方。代謝は体内で作られる酵素によって営まれていますが、ビタミンはこの酵素の働きを助ける「補酵素」となります。ビタミンの種類によって何の代謝に関わるかは変わり、ビタミンが不足するとそのビタミンが関わる機能がうまく動かなくなってしまいます。
ビタミンAは目の障害の修復や粘膜の生成などに関わります。不足すると免疫力低下による病気やトリ目になったり、ひどいときには失明のリスクがあります。
ビタミンB6はアミノ酸、血糖、脂質など様々な栄養素の代謝に関わります。MEC食では特に重要なビタミンで、不足するとせっかく十分な量のたんぱく質を摂取してもそれを活かせなくなってしまいます。
ビタミンDは体内のカルシウム量の管理に関与します。不足するとカルシウムの吸収だけでなく、骨への定着もうまくいかなくなり、尿中に排出されてしまいやすくなります。
ビタミン不足にならないために
ビタミンAもB6もDも、実はレバーから摂取できます。
野生動物は狩りを思い浮かべると、真っ先に獲物の内臓を大事に食べています。対して人間は内臓や血液など栄養素の高い部分を食べることは稀で、主に筋肉を食べていますよね。 肉食でも内臓まで含めて摂取すれば栄養バランスが整っていくことは間違いありませんが、毎日十分なレバーなどを食べるのは現実的ではありません。
対策としては、これらのビタミンを含む魚介も織り交ぜて食べる手があります。ビタミンAであればあん肝やうなぎ、ビタミンB6はまぐろやかつお、ビタミンDはシラスやイワシなどの魚を丸ごと食べられるものが良いようです。
ビタミンDは日光に1~2時間あたるようにすれば体内でも生合成できます。日射の強さによっても変化するため、生成に必要な時間は環境によって変わることは要注意です。
もっと手軽にビタミンを摂るためには
食品だけでは不足する分は、サプリメントを使えば補うことができます。
私は必要な栄養素はなるべく食品から摂ることを理想としています。しかしながら、上述の食品を毎日のように食べるのは、現代の食品事情からすると現実的に難しいです。たとえば、食材を用意するのが難しい平日などは、サプリメントを使って補います。休日は、新鮮な魚介を手に入れたりレバーを使った手の込んだ料理を作ったりして、美味しく食品から摂るようにします。
こうすることで手間や時間を節約するだけでなく、出費を抑えることもできます。これらの食材よりもビタミン剤を数錠の方が安いんですよね。正直。。
サプリメントの摂り方では、以下に注意しています。
- 食後など食物と一緒に摂る
- サプリを割るなどし一日数回に分けて摂る
こうすることで、他の食材と一緒に吸収され体内に長くとどめておけますし、サプリによって一部栄養素だけ高濃度になる不自然さを減らすことができますよね。
まとめ
今回はMEC食で十分摂れるビタミンを整理して、不足するビタミンは何かを明らかにしました。
不足するビタミンは、よく日に当たってレバーなどの内臓も食べることで補うことができます。それが十分にできないときには、サプリメントが心強い味方になってくれます。
今回はブロッコリーをしっかり食べるという前提に立っていますが、十分に食べることができなかった日にもサプリメントを寝る前に摂ればなんとか辻褄を合わせられます。
しっかりした食事をすることが理想ですが、手にある手段を使って上手に健康を維持していきたいなと思います。
参考:元データ
ビタミン摂取量のグラフ作成に使った元データを参考として掲載しておきます。
栄養素 | 単位 | 豚ロース焼き(200g) | 鶏卵(180g) | プロセスチーズ(120g) | ゆでブロッコリー(100g) | 合計 | 充足度(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ビタミンA | ugRAE | 4 | 252 | 312 | 115.2 | 683.2 | 76 |
ビタミンD | ug | 0.2 | 3.24 | 0 | 0 | 3.44 | 63 |
ビタミンE | mg | 0.2 | 1.8 | 1.32 | 3.06 | 6.38 | 98 |
ビタミンK | ug | 6 | 21.6 | 2.4 | 270 | 300 | 100 |
ビタミンB1 | mg | 1.8 | 0.108 | 0.036 | 0.108 | 2.052 | 100 |
ビタミンB2 | mg | 0.42 | 0.72 | 0.456 | 0.162 | 1.758 | 100 |
ナイアシン | mgNE | 18.4 | 0.18 | 0.12 | 0.72 | 19.42 | 100 |
ビタミンB6 | mg | 0.66 | 0.126 | 0.012 | 0.216 | 1.014 | 72 |
ビタミンB12 | ug | 1 | 1.62 | 3.84 | 0 | 6.46 | 100 |
葉酸 | ug | 2 | 63 | 32.4 | 216 | 313.4 | 100 |
パントテン酸 | mg | 2.38 | 2.43 | 0.168 | 1.404 | 6.382 | 100 |
ビタミンC | mg | 2 | 0 | 0 | 97.2 | 99.2 | 99 |